プレ事業計画書を作ろう
こんにちは。Bouffantです。
今日は前にお話した、予算を考える為に必要な事業計画について具体的に掘り下げて書いていこうと思います。
前回の記事を読んでいない方はこちらから読んで見てください。
新規創業を目指す場合、借りれる金額によって、自分で貯めれる金額によってどこにいくらくらい使うのかは変わると言う人が多いと思います。
そこで、まずざっくりとした事業計画を作成することが最初にやるべきことだと言う事を前回の記事でお話させていただきました。
今回はこのざっくりとした事業計画、名付けてプレ事業計画の作成方法を飲食店の場合を例えに使って解説していこうと思います。
数字や品物に関してはダミーなのでご了承ください。
マーケティングをしよう
マーケティングと聞くと難しく聞こえます簡単に言えば、
『売れる仕組み』を作るということ。言い換えると、
商品を売るためにはどうすればいいのか
ということを考えていくこと。といってもよくわからないので
ここでは簡単に以下の3つを考えていきます。
- 何を→商品
- どこで→店舗を構えたい場所
- 誰に→ターゲット
売りたいのかを考えます。
- ステーキを
- 沖縄の飲み屋が多いところで
- 地元の呑み帰りの人に
こんな感じです。
ここが具体的であればあるほど他の内容が自然と決まってきます。
この3つを考慮すると、
- 営業時間はターゲットが帰り始める夜8時から深夜3時
- 日曜は周りのお店が閉まってることが多いので定休日
- 月営業日数は26日
- 場所は繁華街
- 一人で回せる客席数は10席くらい
- 8時から3時までの7時間に満席4回転はしたい
- 見込める客数は1日40名
などターゲットを捕まえられる条件、見込める客数などがわかりますよね?
※赤字は理想で構いません。現実的な数字であれば自分が見込める客数を当てはめればいいです。
さらに、ここから現地の相場価格を調べます。ついでに、テナントの相場家賃も調べておきましょう。
商品価格を考えよう
ステーキの相場価格を仮に1000円とします。
この相場価格より安く売り出したいのか高く売り出したいかを考えていきます。
簡単に言えば、コスパがいいお店か高級思考のお店かです。
どの価格帯がターゲットに受けるのか?
この例えでは
コスパがいいお店のほうが飲みの帰りに寄ってくれやすそうなので相場価格より少し安く980円で設定します。
これで客単価も決まりました。
利益を考える
ここで一旦整理します。
- ステーキ屋
- 沖縄の繁華街
- 営業時間20:00-3:00
- 客単価 980円
- 一日来客数 40名
- 一日売上 980×40=39,200円
月間売上 39,200×26日=1,019,200円
となるわけです。
ここから必要経費をどんどん引いていきます。
- 光熱費 売上の7%=1,019,,200×0.07=71,344
- 原価 原価率30%=1,019,200×0.3=305,760
- 雑費 売上の10%=1,019,200×0.1=101,920
このパーセンテージは、一般的に飲食店だとこれらの数字以下に抑えることが理想とされている数字です。
残高 540,176円
ここではテナント家賃とローン返済額、人件費を考えるために計算をしているのでこれ以外の固定支出はすべて経費として引きます。
この他に考えられる主な必要経費は
- 通信費
- 広告宣伝費
などです。
ここで、残高を家賃、給料、ローン返済で割り当てていきます。
給料 →30万
家賃→15万
ローン返済→5万
月間利益 40,176円
というところでしょうか?
もっと利益が残ると思いませんでしたか?
月々100万の売り上げということは、年商1000万以上のお店ということです。
年商1000万と聞くとすごいって感じませんか?
しかし、会社に残る資本金は年間40万程度、代表取締役の年収は360万。
その辺のサラリーマンの年収と変わりません。
世の中の数字マジックに騙されてはいけません。笑
実際はいくらかりれる?
話を戻しましょう。
例えばここでローン返済額5万と出ました。
10年ローンにすると、
5×12×10=600万は返済できそうだとなるわけです。
利息の発生や売上が伸びないなどもあるので、そこを考慮して500万くらいかな?と目処がつくと思います。
実際は自己資金の3-4倍程度のお金しか借りることはできないといわれています。
もちろん、審査基準は自己資金だけではありません。他からの借り入れ状況や事業に対しての経験や知識、事業計画の現実性や成長性などあらゆる方面から審査され融資金額が決まります。
なので導き出される数字はあくまでこれからの行動を考える目安。
この金額を借りるためには最低でも150万は貯めなければいけないな。
とか、
そこまで貯めれそうにない。
初期費用を削って融資額を減らそう。
起ち上げ時はこんなには集客は見込めないだろう。
固定支出を減らしてもっと利益をあげよう。
など。
具体的な計画が自然に出てくるようになります。
私の体験談
私は2ヶ月前くらいにざっくり1000万くらい借りたいと思い、知人の銀行マンに相談しました。
そのときの私は年収さえわかっていれば借りれる相場が決まるとばかり思っていたんです。
そこではこれから何をしたいのか、1000万という数字はどこから出てきたのかなど聞かれ質問には答えていたものの向こうからすると的外れな答えだったのでしょう。
実際に商工会議所や銀行などに相談するならもっと具体的な話になってからのほうがいいと言う事を言われました。
私は、先人達に相談したり、自分で調べたりしてこのプレ事業計画書は作成しました。
そしてこれを作成することで、どんどん自分の事業計画の問題点や1000万という数字の無謀さなどが浮き彫りになってきました。
実際に初期の私の事業計画は計算してみると
閑散期は赤字
自身の給料は20万取れるかわからない
この数字で1000万は厳しい
10年ローンは厳しい
という結果でした。笑
原価の見直し、固定支出の見直し、販売価格の見直し、借入金の見直しを何度も繰り返して、最終的に借入金1000万が360万に。
これは根拠がある数字だったので先人達や銀行マンを納得させることができました。
予算が分かればそれに見合うお店を作り上げなければいけません。
自然に360万で足りるのかということが気になり調べ始めます。
私の場合は飲食店なので、
考えられる初期費用は
- テナント契約費
- 厨房設備費
- 看板工事
- 電気、水道工事
- 内装、外装工事費
- インテリア、食器、調理器具費
などです。
相場でどれくらいかかるのかなどを知っておけば話が具体化していきます。
これは、設備資金の融資を受ける際に必要な設備資金内訳書の情報になります。
また、起ち上げ時は、こんなに客数は見込めない。
人を雇い、店舗を増やしていきたい。
など具体的に組み立てていき、実際にお金を返済していけるのか数字を当てはめて返済できるか考える。
これは返済計画書を作るための情報。
プレ事業計画書。あなどるなかれ。
とても面倒な作業だし、こんなことしなくても融資してくれる人がいたり、自己資金をたくさん持っている人からしたら無関係な作業とも言えます。
しかし、私のようにすべて自分で0から少ない資金でやろうと考えている方には必要な作業だと思います。
なぜなら、発展して考えることは融資を受ける際に聞かれるもしくは提出を求められる書類になったりします。
投資家や現に自分で事業をやっている方からも公庫や銀行などのような真面目な面談でなくても、同じようなことを聞かれ、それに答えられなければ嘲笑されて終わります。
せっかく情報収集できそうな方たちと出会っても、相手にされなければ意味がない。
まずは相手にされる存在を目指していこうと思います。
ただこれはあくまでプレ事業計画書。
これからの準備期間でこの数字をもっと具体的にし、極限まで絞り込み、いざ本番。公庫や商工会議所に相談しに行くという流れになります。
私がやっているこの作業が功を奏すのかどうわかるのはまだ先です。
こちらでは随時学んだことや近況報告を記事にしていこうと考えているのでぜひ優しく見守ってくれればと思います。